3月20日の千葉日報から「歯周病が循環器疾患に関連」という気になる記事を見つけました。
歯周病自体も放っておいたら、将来的に歯を失ってしまう可能性のある怖い病気ですが、歯周病菌が血液に入り込み、血流によって全身に悪影響を及ぼしていることが最近の研究で明らかになっているそうなのです。
出典:http://biiki.ueb-a.com/?p=3191
心筋梗塞の患者全体の3割で歯周病菌を検出
東京大特任準教授の鈴木淳一医師は十数年前に東京医科歯科大病院の循環器内科医をしていた頃、「心筋梗塞で運ばれてくる患者は皆口が臭い。」と、医療現場で何気なくかわされている会話が気になっていたそうです。
「心筋梗塞の危険因子の1つ、たばこが口臭の原因ではないか。」と感じつつも、歯科医師と共に、心筋梗塞などの急性冠動脈症候群の患者を調べたそうです。
その結果、患者全体の約3割で口の中から歯周病菌を検出したほか、歯周病菌が血液中に入り込んでいることを示すデータも得られたのだそうです。
歯周病菌は700~800もあり、そのすべてが病気を引き起こすわけではなく、病気を引き起こす歯周病菌はほんの一部だということも最近の研究で明らかになっていきているそうです。
傷ついた歯肉の表面から血液に入って全身をめぐり、血液の内壁に取りつき炎症をおこすと考えられているそうです。
他の病気との関連もありそう
歯周病菌と関連のある病気が心筋梗塞だけではなく、糖尿病や低体重児出産の他閉塞性動脈硬化症や腹部大動脈瘤などがあるそうです。
特に腹部大動脈瘤の場合、歯周病菌に感染している人といない人で病気の発症件数が5倍も差があるそうです。
歯周病菌とは |
歯周病菌とは、口の中の菌で食べ物のカスと唾液が混ざってできる歯垢(プラーク)や歯石のなかで増殖する口の中の細菌
歯周病かどうかをチェック
歯周病が怖いのは自覚症状があまりないまま進行しているケースもあるそうです。
歯垢の中に住む細菌が毒素をだし、歯と歯肉の間に入り込んで歯の周辺の歯根膜を溶かし、最終的に歯が抜けてしまうそうです。
★歯周病が疑われる症状はこれらのうちの1つでも当てはまる場合は歯周病の可能性がたかいそうです。
●歯茎の色が赤い(本来はきれいなおピンク色)
●歯茎が下がり、歯が長くなったように見える ●歯と歯の間にすき間ができている ●歯茎が腫れることがある ●歯茎から血が出ることがある ●歯茎からうみが出ることがある ●歯がぐらぐらする ●朝起きた時、口の中がネバネバする ●口臭がある ●冷たいものや熱いものが歯にしみる |
1年に1回は歯科医院へ
歯医医院は歯の治療をするところですが、最近では治療以外にも予防歯科診療に力を入れている歯科医院も多くなってきています。
歯ブラシや歯間ブラシの効果的な使いかたや、定期検査で歯周ポケットやプラークのチェックなど、口の中の状態を良い状態に保つためのアドバイスをしてくれるところでもあります。
一定期間ごとに定期健診のご案内のはがきを郵送してくれる歯科医院もありますし、きちんと定期健診を受けておけば、口の中のトラブル(虫歯だけではなく、口腔がんの発見など)に早く気づいてもらえます。
1年に1回は歯科医院に足を運んでみませんか。
まとめ
こうしてみると、8020運動はとても理にかなった運動であると思います。
年を重ねても元気に過ごしている人は、全身の健康状態も良好な場合が多いのでしょう。
歯周病菌を増やさないようにコントロールをするためには、食後の歯磨きと歯間ブラシ、デンタルフロスが有効だそうです。
口の中をキレイに保つことで、循環器の疾患やその他の病気のリスクが減らせるのであれば、その方がいいですからね。
ぜひかかりつけの歯科医院を見つけて、口の中の健康と全身の健康を維持しましょう。