4月6日の朝日新聞から
千葉県千葉市の幕張新都心で、小型無人飛行機(ドローン)を使い、個人の家に宅配をする実証実験が11日から始まるそうです。
千葉市と企業、研究機関の共同プロジェクト
千葉市と企業、研究機関の共同プロジェクトで、3年後の2019年の実用化に向けての実証実験となります。
実験に取り組むのは、千葉市、楽天、物流や通信などの大手企業の約10社だそうで、ドローンの開発・製造を手がける「自律制御システム研究所」の官民共同の検討会です。
実験初日の11日は大型のドローンを公園からマンション屋上に飛ばし、荷物を運ぶ試験飛行をするそうで、その後は月に1度検討会を重ねていくそうです。
2種類のドローンを使用
●構想では大きさの違うドローンを使って行う
あらかじめ設定した飛行ルートを、全地球測位システム(GPS)で位置を確かめながら自律飛行をするそうで、宅配の対象となる若葉住宅地区にこれから建設するマンションには、各戸のベランダにドローン着陸スペースを作る予定だそうです。
ドローンはレーザー光線をだし、自ら3次元の地図を描き離着陸の位置を把握できるそうで、その誤差はわずか1センチほどだとか。
大型のドローン |
まとまった量の荷物を運ぶ
東京湾沿いの物流倉庫 ➡ 約10キロ(約15分) ➡ 幕張新都心集積所
小型ドローン |
個人宅へ
幕張新都心集積所 ➡ 近くの高層マンションの各部屋のベランダへ配達
●実証実験では
- 風の影響
- 電波
- GPSの受信状況
などを調べる他、離着陸の許可を出したり、気象状況によりルートの変更を支持したりする管制システム仕組みづくりにも取り組むそうです。
千葉市は、配達時間や人件費の削減に加え、住民の利便性向上につながると期待をよせているそうです。
2020年にはこの地区にある幕張メッセが競技会場となる東京オリンピック・パラリンピックの開催があり、先端技術を活用した未来都市を世界に向けてアピールしたいと考えているようです。
実証実験に携わる自律制御システム研究所所長の野波健蔵・千葉大特別教授は「短時間で運べて低コスト。実現すればライフスタイルが変わる」と話しています。
出典:朝日新聞
安全対策などの課題も
昨年12月に施行された航空改正法では以下の場合に国土交通省の許可が必要
●高さ150メートル以上の空域
●人や家屋が密集する人口集中地区の上空
●空港周辺区域
目視で常時監視することが必要で、人や建物、車から30メートルの距離を保つことなども定められており、この規制に外れる場合には国土交通省の承認受けなければならないそうです。
荷物の落下の危険は
ドローン自ら障害物を検知して回避する技術を開発しているそうで、異常があれば高度を下げたり、事前に決めた空き地などに不時着させることを想定しているそうですが、荷物などの保険も必要になりそうです。
またドライブレコーダーと同じように、飛行時にぶつかったなどのトラブルに備えるために、記録用のカメラを搭載する必要があるそうですが、人や物が映り込むことは避けられないそうです。
まとめ
落下物や衝突などの危険がなければ、便利に使えるドローンですが、カメラの搭載によるプライバシーの問題などもあるようです。それらの問題を実証実験で一つ一つクリアし、実用化につながるように期待したいです。