将来有望な若者が多く犠牲になってしまった、軽井沢スキーバス転落事故は記憶に新しいですね。運転手が亡くなられてしまったので、本当のところはわからないのかもしれませんが、運転手の病気がもとで起こっている事故が多いと、やはり心配ですよね。
2月29日の千葉日報で運送業の人間ドックが普及せずという気になる記事を見つけましたのでまとめてみます。
国土交通省が運送業者に推奨している
運転中に発症してしまうと重大な事故を起こしかねない病気を早期に発見するために、国土交通省は運送業者に人間ドックの実施を勧めているそうです。
運転手の健康問題が原因の死亡事故が年間30から40件にも上っているからです。
8割以上の業者が実施していない
国土交通省はバス、トラック、タクシーそれぞれの業界団体を通じたアンケートを実施したところ、390社から回答が得られたそうです。調査結果は、人間ドックを実施している会社は全体のたった14%で、8割以上の運送業者が人間ドックを実施していないことがわかったそうです。
運送業者の健康マニュアルでは、義務である定期健康診断の他人間ドックや脳磁気共鳴画像装置(MRI)の検査や睡眠時無呼吸症候群(SAS)を把握するための検査を受診するように推奨しているのにも関わらずです。
人間ドック受診率 | MRI受診率 | SAS受診率 | |
バス業者 | 22% | 20%以下 | 72% |
トラック業者 | 16% | 20%以下 | 42% |
タクシー業者 | 5% | 20%以下 | 16% |
バス業者の場合(規模別)
50人~300人未満の会社・・・23%
300人以上・・・・・・・・・37%
※トラック、タクシー業界ともに従業員が多いほど受診率も高い
厚生労働省の2013年に行った国民生活基礎調査結果では
20歳以上の国民の人間ドック受診率は下記の通りです。
男性67%
女性58%
※運送業の運転手の人間ドック受診率はこの数字をはるかに下回っているとみられているようです。
人間ドックの費用がネックに
人間ドッグとは
人間ドックは、健康診断と違い義務ではなく任意の検査です。
体の健康状態を把握するために、身体の各部位の精密検査を受けて、自分では気づけない疾患や臓器の異常などをチェックする健康診断の一種のことだそうです。
健康診断に比べて検査項目が多く、より精密な検査を受けたい人が任意に受診することができ、健康保険の対象外なので費用も数万から数十万に上るといわれているようです。
一般的に検査項目が多くなるほど高くなっているようですが、医療機関によって金額が異なっています。
私が考えること
軽井沢のスキーバス転落事故は複雑な要素がいろいろ絡み合って起こった事故のようですが、運転手の健康管理も原因の一つなのではないでしょうか。
運送業といっても旅客の運送だけににかぎらず貨物の運送もありますが、バスなどたくさんの客が利用する乗り物が事故を起こすと大参事になることがおおいようです。
国土交通省が推奨にとどめている、人間ドックの実施を義務化するなり、費用の助成をすれば実施率も高まるのではないかと考えます。
また人の命を預かる運送業者は運転手の健康管理を徹底させ、少しでも事故につながる原因を減らしていく努力をしてほしいと思います。同じような事故を起こさないために。